横断歩道の白と黒の間

セクシュアルマイノリティの人が書くブログ

小説 4

さて。

 

どう書いていこうか。

 

時間が空くとなかなか考えがつながりませんね(笑)

 

唯一の読者なのではないか?(笑)というフォロワーさんに

 

続き書いて!といわれたので

 

喜んで書くことにしますw

 

 

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▼▼▼

 

「すいませーん。ラストオーダーのお時間でー」

 

先程の好青年が爽やかな笑顔で私と先輩の間に割って入ってくる。

 

「あ、はい。もうそんな時間ですか。先輩、どうします?」

 

「私、あったかいお茶もらえますか?」

 

「じゃあ、あったかいお茶二つで。」

 

「かしこまりましたー」

 

いつもよりもハイペースで飲んだ先輩は見た目以上に、酔っ払っているのかもしれない。

そういえば、食事もあまり進んでいなかった。

カミングアウトをいつどのタイミングで私にしようと思ったのか。

その瞬間の緊張感は第一志望の合格発表以上の緊張感がある。

試験は、自分の努力次第で結果を変えることができる。

予行だって、いくらかはできる。

けれど、カミングアウトは人が変われば、結果が変わる。

その判断は全て、相手に委ねられる。

まるで博打だ。

そんなことを人生で、何十回、何百回と繰り返していく。

私たちが「異質」で、そこに「いるはずのない者」だから。

私は「ここにいるんです」と存在を確かなものにするために。

私たちを構成している一つでしかない「性別」や「性指向」ごときで消されてしまう「私」を確かなものにするために。

 

「あったかいお茶、お待たせしましたー」

 

あたたかい、というよりは熱い湯のみを両手で包み込みやさしく息を吹き込んでいる先輩を眺めながら、もう少し、先輩と過ごしたいと、名残惜しくなった。

 

「あーなんか酔っ払っちゃったかもー」

 

先輩は極度の緊張から開放され、憑物が取れたかのように晴れやかな顔をしていた。

 

「先輩、お腹減りませんか?」

 

「うん、実は。」

 

照れくさそうに、先輩がはにかむ。

 

「もし、まだ大丈夫なら、私、オススメのお店があるんです。美味しいもの食べに行きませんか。」

 

酔っ払ってしまった人を連れまわすのは、少し気が引けたが、もう少しだけ、先輩と話したかった。

 

「行こう、行こう。美味しいもの食べよう。」

 

やはり、このお店は、カミングアウトの為に選んだのだ。

誰もが酔っ払い、管を巻き騒いでいるようなお店ならば、周りを気にせずレズビアンなどといった単語も臆することなく発することができる。

彼氏と結婚したくてしょうがない女性は、無事その彼氏に回収されたようだ。

いつの間にかお客さんは数組になっていた。

 

「タクシー呼んでもらいますね。」

 

私は、先程のお兄さんに声をかけ、お会計とタクシーを一台お願いした。

 

「先輩、すぐ来てくれるみたいですよ。」

 

「はーい。優美ちゃん、これ。」

 

そういうと、先輩は財布から一万円札を出した。

 

「私、細かいのないから、次のお店でお願いします。」

 

いつもさりげなくお会計を済ませてしまう先輩におごってもらってばかりなので、今日ばかりは、どうしても私が払いたかった。

 

「先輩は、カミングアウト何回目ですか。」

 

あちぃっっと小さく呟きながら、お茶をすすってる先輩の動きが止まる。

 

「ん?こんなこと人に言えないよ。」

 

こんなこと、とはどんなことなのだろう。

「誰がすきなのか」ということは「人に言えないこと」なのか。

 

「じゃあ、私しか、知らないんですか。あ、あとアオイさん」

 

「そうだね。」

 

「なんで、私、なんですか。さっきも聞きましたけど。」

 

「ん。気になるんだ、そこ」

 

例え、プライベートでも付き合いがあるとはいえ、これから毎日顔を合わせなければならない人間に博打を打つよりも、まずは、竹馬の友に言う方が安泰なのではないのだろうかと、どうしても腑に落ちないのである。もしかしたら、私が「男」であることが、ばれてしまっているのだろうか。「誰も知らない」とはいえ、この恐怖から逃れることは、死んでもなお、訪れない。

 

「タクシーきましたー。」

 

爽やか好青年は、最後まで爽やかだった。

 

「じゃあ、行きましょうか先輩。続きは次のお店で。」

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